1月から12月まで、私たちの生まれた月ごとに決められている「誕生石」。
それぞれの石にはそれぞれ意味や効果があり、古くから 身に着けていると幸せが訪れると言われてきました。
誕生石の種類は世界共通というではなく、その国独自の文化や歴史の影響をうけ、国によって少しずつ異なっています。
日本の誕生石は1954年、アメリカの誕生石をもとに 全国宝石卸商協同組合によって制定されました。その際、日本独自の宝石として「翡翠」と「珊瑚」 が加えられたのが特徴です。神話や日本書紀などにも登場する、古来から日本で愛されてきた宝石ですね。
以来、日本の文化に根づき広く浸透してきた「日本の誕生石」ですが、改訂されるのは63年ぶりのこと。カラフルで素敵な宝石たちが10石加わり、日本の誕生石は合計29石 になりました。誕生石のジュエリーを選ぶ楽しみが増えましたね。
今回、新しく加わった石の中には耳慣れない名前の宝石もあります。「初めて知った」という宝石も、多いのではないでしょうか?どうしてその石が選ばれたのか、理由はさまざま。この機会にいくつかご紹介したいと思います。
【 2月:クリソベリル・キャッツアイ 】
まるで猫の目のような不思議な宝石、キャッツアイ。
宝石内部で反射した光が集まり、表面に白い光の帯状に現れる現象をシャトヤンシー(キャッツ・アイ=猫の目効果)と呼んでいます。シャトヤンシーが現れた宝石を何でも「キャッツアイ」と呼ぶ方が多いのですが、通常は「キャッツアイ」といえばクリソベリル(金緑石)のことを指します。原産国のスリランカでは「悪魔から身を守る宝石」と呼ばれていますよ。
今回、2月に誕生石に抜擢されたのは、2月に猫の記念日があるから だそう。
日本では2月22日が、にゃん・にゃん・にゃんで「猫の日」。またヨーロッパでは2月17日がWorld Cat Day(世界猫の日)です。2月生まれの猫好きさんにぴったりの誕生石ですね。
【 3月・アイオライト 】
青みがかったスミレ色が特徴のアイオライト。和名はその色の通り、菫青石(きんせいせき)です。海にまつわる伝説を持つ石 で「海の羅針盤」とも呼ばれ、古代バイキングたちはこの石を持って航海に出かけたそうです。
アイオライトがもつ不思議な特徴、多色性(見る方向によって色がかわる性質)を活用することで、バイキングたちは曇りの日でも太陽の位置を知ることができ、正しい方角へ進むことができました。そのため、アイオライトは 目標に向けて、正しく進むべき道を示す力があると言われています。就職や転職など、「人生の節目」を迎える3月生まれの方にぴったりの誕生石です。
3月の誕生石に選ばれた理由は、有名なフランスの地質学者ピエール・ルイ・アントワーヌ・コルディエが3月生まれだからだそうです。実はアイオライト、鉱物名はコーディエライトといい、コルディエの名前に因んで名づけられた鉱石です。
【 4月・モルガナイト 】
アクアマリンやエメラルドと同じ鉱物・ベリルの変種で、ピンク色から淡紫色のかわいい色の宝石です。1910年にマダガスカルで発見された、比較的新しい鉱石です。
今日の宝石業界の礎を築いたといっても過言でない鉱物学者 ジョージ・フレデリック・クンツ博士 によって「モルガナイト」と名づけられました。
モルガナイトの名前はアメリカの5大財閥のひとつ、モルガン財閥の創始者であり 有名な宝石コレクターでもあった J・P・モルガン氏 に由来します。
鉱物学者でありながら、ティファニーの宝石顧問でもあったクンツ博士は、9月の誕生石に新しく追加された「クンツァイト」の名前の由来となった人物。ティファニーの支援のもと、アメリカ大陸はもちろん世界中からまだ見ぬ宝石たちを採掘・収集、ジュエリーとして世に送り出しました。詳しくは後ほどご紹介を。
さて、モルガナイトが4月の誕生石に選ばれた理由は、モルガン氏の誕生月であること、そしてこの石が持つピンクの色合いが 日本を代表する桜の花 を思わせるからだそう。儚げでやさしいピンク色が本当に桜の花びらのようですね。「愛情」「純潔」など 幸せな結婚を象徴するような石言葉 を持つ宝石です。
【 6月・アレキサンドライト 】
以前から6月の誕生石と言われていたアレキサンドライトですが、正式に日本の誕生石として制定されたのは今回が初。新しく追加された10石の中では、もっとも有名な宝石です。
クリソベリル(⾦緑⽯)の変種で 太陽の光の下では⻘緑⾊、⼈⼯照明(⽩熱灯)下では⾚紫⾊に色が変わる 不思議な性質を持った宝石です。変⾊の程度がはっきりしているものほど、価値が高いとされています。
1830年にロシアのラウル山脈で発見され、当時のロシア皇帝 ニコライ1世に献上されました。一説によると、その日がちょうど、次期ロシア皇帝のアレキサンダー2世の誕生日であたことから、その名に因んで「アレキサンドライト」と名付けられました。
結婚45周年は 金緑婚式(きんりょくこんしき)と呼ばれており、アレキサンドライトを贈ると良い とされていますよ。「6月生まれ」の奥さまと結婚45周年を迎える皆さま、今年の記念日にアレキサンドライトの贈りものはいかがでしょうか♪
【 7月・スフェーン】
スフェーンはチタン石とも呼ばれ、チタンを含む鉱石です。楔(くさび)形の結晶構造 を持つため、ギリシャ語の楔=スフェノス(sphenos)から、スフェーンと名づけられました。「ファイヤ」と呼ばれるダイヤモンドのようにギラギラとした輝く性質と、光を当てると火花が散るように色を変えて輝く強い多色性をあわせ持った稀有な宝石です。
残念ながらモース硬度が5~5.5程度と低いため、ジュエリーとしての流通している量は非常に少なく、希少価値の高い宝石 です。
和名では楔石。楔は ふたつのものを固く繋ぎ合わせる絆(きずな)の意味も持ちます。また「永久不変」という石言葉を持っているので、家族や恋人など 一生を共にする大切な方への贈り物 にいいかもしれませんね。
今回7月の誕生石に選ばれた理由は、スフェーンを新種の鉱物として初めて認識した自然哲学者の誕生月であることと、スフェーンの輝きが日本の夏の森のような色合いを持つからだそうです。
【9月・クンツァイト】
クンツァイトはピンク色からライラックのような紫色をしたかわいい宝石。
実は リチウム電池の原料となる「リシア輝石(スポジュメン)」の変種 です。宝石としてよりも 工業資源としての価値が注目されている鉱石 です。
1902年にクンツ博士によって発見された、まだ歴史の浅い鉱石です。クンツ博士に敬意を称して、クンツァイトと名づけられました。カリフォルニア州で最初に発見されたために「カリフォルニア・アイリス」とも呼ばれているそうですよ。
今回はクンツ博士の誕生月に因んで、9月の誕生石に選ばれました。
現在、私たちはさまざまな種類の天然石 ージェムストーンとも呼ばれていますー を、ジュエリーとして楽しむことができますが、ひと昔前まではジュエリーといえば、ダイヤモンド・ルビー・エメラルド・サファイアの4大貴石と半貴石が主流でした。
クンツ博士が世界中から新しい宝石や鉱石を集め、世に送り出したことで、たくさんの鉱石が「宝石」として認知 され、ジュエリーの選択肢は格段に広がりました。12月の誕生石に加わったタンザナイトもそのひとつです。
クンツ博士が集めた宝石の多くを大顧客として買い取ったのがモルガン氏です。そのコレクションは1900年のパリ万博で金賞を受賞し、現在はニューヨークのアメリカ自然史博物館に寄贈 されています。
子供の頃には4000以上の鉱石を集めていた、というクンツ博士。博士の宝石、鉱石への情熱のおかげで、今、私たちはこんなにカラフルな宝石たちを楽しめるのかもしれませんね。
【12月・タンザナイト】
196年代にタンザニアのキリマンジャロの麓で発見 された透明感の高い青い石。
国名にちなんで「タンザナイト」と命名され、ティファニーから大々的に世に送り出されて一気に人気に火がついた宝石です。
ゾイサイトの⻘⾊の変種で オーシャンブルーのような深く透明感の高いブルーの色彩 には、アクアマリンやサファイヤとはまた違った魅力があります。発見されて半世紀ほどの歴史が浅い石ですが、代表的な青い宝石のひとつとして認知度も人気も非常に高い宝石です。
⾒る⽅向によっては⻘紫⾊、⻘⾊、ピンク⾊を⾒ることができる不思議な多⾊性も持ち合わせています。タンザナイトはその名の通り、世界で一か所、タンザニアでしか採掘されません。天然資源はいつか枯渇する日がやってきますので、将来的にはますます希少価値が上がっていく かもしれませんね。
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さて、今回は新しく追加された誕生石をご紹介しました。
谷口宝石では 誕生石を使って「世界にひとつだけ」のオーダーメイドジュエリー を製作することが可能です。ご自分用はもちろん、ご家族や恋人など、大切な方への贈り物ジュエリーもぴったりです♪
2022年はまだはじまったばかり。今年、記念日や大きな人生の節目を迎える皆さま、ぜひ「誕生石」を使った贈り物をご検討くださいませ。
誕生石は谷口宝石でお探しすることもできますが、ルースを自分で持ち込まれてOKです。デザインや予算など、どうぞお気軽にご相談ください。
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