
谷口宝石
「遺骨ダイヤモンド」で指輪を製作|お母様が好きだった「桜」をモチーフに…

亡くなった方の遺骨や遺髪をダイヤモンドを生まれ変わらせる「遺骨」ダイヤモンド。メモリアルダイヤモンド とも呼ばれています。ここ数年、メディアでも紹介される機会が増え、谷口宝石のブログでも以前、その誕生のきっかけなどを紹介させていただきました。
>>参考ブログ記事:遺骨ダイヤモンドとは…|故人様を偲ぶ新しいカタチ

遺骨ダイヤモンドは大切な方と「いつまでも一緒にいたい」という私たちの想いを叶えてくれる 新しい供養のカタチ でもあります。
この度、谷口宝石で 遺骨ダイヤモンドをジュエリーに生まれ変わらせる という大変貴重な機会をいただきましたので、ご紹介したいと思います。
ご依頼くださったのは三原市在住のS様。
遺骨ダイヤモンドの生みの親でもあるスイスのアルゴダンザ社 に依頼して、亡くなられたお母様の遺骨をダイヤモンドにされました。S様とお姉様、姉妹二人のダイヤモンドとして、遺骨と遺髪からダイヤモンドを2つ 作られたそうです。
アルゴダンザ社の遺骨ダイヤモンドは、微少元素によって 無色透明から美しいブルーの色合い に自然に決まります。お母様は0.28カラットの美しいブルーダイヤモンドに生まれ変わって、お二人のもとに帰ってこられました。
シングルマザーだったというお母様。
S様とお姉様、そして二人のお兄様の三人の子供たちををしっかりと育て、姉妹二人を新しい家庭に送りだしたのち、ご病気で亡くなられたそうです。
母と子、四人だけの家族だったので、小さな頃から二人ともお母様への感謝の気持ちが強く「これからの人生もずっと一緒にいられるように」と、今回はお姉様の発案で 遺骨ダイヤモンドという供養のカタチ を選ばれたんだそうですよ。

桜が大好きだったというお母様、「満開の桜の中に居させてあげたい」とご希望をいただき、今回は 桜をモチーフにした指輪 を製作することになりました。
お住まいが三原市と遠方で、かつコロナ禍ということもあり、お客様とはメールを通して 桜のカタチやリングの形状、地金の配色、ミル打ちのイメージなど スタッフが細かくご相談させていただき、それをもとにジュエリー職人のティムがデザインを制作。
調整を重ねながら最終的に、S様は プラチナの桜 × ゴールドのリング、お姉様は ゴールドの桜 × プラチナのリング というデザインで製作することになりました。「結婚指輪と重ねづけしたい」というご希望もいただいたので、S様の指輪は結婚指輪と同じV字ラインでデザインしています。
製作工程はこんな感じです ↓

【1】まずは、ダイヤモンドを埋め込む桜の枠を製作していきます
【2】桜の枠とV字リングの土台が完成しました
【3・4】V字リングのカタチを整えてミル打ちを施したところです。この段階で結婚指輪と重ねづけした時のイメージをS様に写真で確認して頂きました
【5】V字リングに桜の枠をロー付けしたところです
【6】S様にデザインの最終確認をして頂き、ダイヤモンドを埋め込めば...完成です↓

深いブルーのダイヤモンドが印象的な、素敵な桜のリングが完成しました♪
ゆるくカーブを描いた金のⅤ字ラインが枝のようにも見えて、本当に木の枝に咲いた一輪の桜のようですね。グラデーションに打ち込んだミル打ち もお客様のこだわりのひとつ。アンティークな雰囲気で素敵ですね。
実は当初、桜には「ピンクゴールド」の地金を使うことを検討されていましたが、スタッフが ダイヤモンドの色との相性 を考えてプラチナをおすすめしました。
白銀色とブルーは相性抜群、プラチナが深いブルーのダイヤモンドを引きたてて、全体的な色のバランスも、華やかで素敵に仕上がったのではないでしょうか。