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執筆者の写真谷口宝石

遺骨ダイヤモンドとは…|故人様を偲ぶ新しいカタチ


先日、実験室の中で誕生する環境にやさしいダイヤモンドー、ラボグロウンダイヤモンドについてご紹介しました。


ラボグロウンと聞くとなんだか新しい言葉のように感じますが、いわゆる合成ダイヤモンド のこと。誕生した場所が「実験室の中」というだけで 天然ダイヤモンドと全く同じ成分・構造・特質 を持っています。


合成ダイヤモンドの歴史は1950年代にアメリカではじまり、長らく切削工具や研磨剤として金属加工や建設、採掘などの工業分野で利用されてきました。私たちの生活の中でもダイヤモンドカッターをはじめ、活躍している道具がたくさんありますね。


最新の半導体分野でもその可能性は注視されており、次世代のパワー半導体として 合成ダイヤモンドを材料としたダイヤモンド半導体 の研究開発が進んでいます。


SDGsな社会に合致した環境にやさしいジュエリーとして、また技術革新の工業用材料として話題の合成ダイヤモンドですが、実は10年ほど前から、より私たちのライフスタイルや想いに寄り添った視点からも注目を集めています


亡くなった方の遺骨からダイヤモンドを合成する メモリアルダイヤモンド です。

ここ数年、メディアで紹介される機会も増え、ご存じの方も多いと思いますが、初めて聞く方は 遺骨がダイヤモンドに生まれ変わる なんて、びっくりされるかもしれませんね。


ダイヤモンドは 炭素が結晶化 したもの。化学式はCで、単一元素からなる唯一の宝石 です。


私たちの身体は約60%が水ですが、残りの40%のうち 約半分は炭素 からできています。つまり、化学的には人間の身体からダイヤモンドが合成できるということです。そのほかは窒素、カルシウム、マグネシウム、リン、硫黄…など。本当に不思議ですが、どこにでも存在しているありふれた成分の組み合わせで、複雑な人間の身体は成り立っているんですね。


亡くなった方の遺骨でダイヤモンドを作る ということを思いついたのは、メモリアルダイヤモンドを代表するスイスの企業・アルゴダンザ社 の創設者 リナルド・ウィリーさんです。


発想の原点は、ウィリーさんが大学生のとき。「ash(灰)から合成ダイヤモンドを作る」というロシアの科学者の記事を、遺灰から作ると勘違いしたことがはじまり だそう。


日本語で「灰」と書かれていて「遺灰」を連想する人はいませんが、実は英語の灰=ashは、複数形 ashes になると遺灰や遺骨を意味します。


実際の記事は植物の灰からダイヤモンドを合成する、という内容だったそうですが、ashesという表記のインパクトがウィリーさんに勘違いをさせたのかもしれませんね。


ウィリーさんの凄いところはそれを勘違いで終わらせず、「では、人間の遺灰からでもダイヤモンドがつくれるのか?」と興味を持ち、実際に科学者に連絡をとって、アルゴダンザ社の元となるプロジェクトをスタートさせたことです。そして当時、合成ダイヤモンドを作る技術を持っていたスイスの企業と共同で研究をし、2004年にアルゴタンザ社を創設しました。


アルゴダンザとは、スイスの古い言葉で“追悼”を意味する のだそうです。


現在では多くの会社がメモリアルダイヤモンドを扱っていますが、アルゴタンザ社と、同じくスイスに本社を置くStayforever(ステイフォーエバー)が、遺骨ダイヤモンドの礎を築いた伝統のある企業として有名です。


どちも本社はスイスですが、日本にも支社があります。先祖の霊を迎えて供養するお盆という風習をはじめ、伝統的に故人を悼み、偲ぶ傾向が海外よりも強い日本 からの依頼がとても多いそうですよ。


また近年、大都市では墓地不足がすすみ、さらに核家族化や「子供を持たない」という選択をする夫婦も増え、お墓の管理や墓じまいが社会問題となっています。

アルゴダンザ社では、遺骨ダイヤモンドを選択されたお客様のためにダイヤモンド葬」という新しい供養のカタチ を提案しています。


遺骨をダイヤモンドにすることで 大切な方といつまでも一緒にいられるという想い から依頼される方がほとんどだと思いますが、将来的には、後継者問題やお墓は持たないという選択など、ライフスタイルの変化からダイヤモンド葬を選ばれる方も増えてくるかもしれませんね。


さて、遺骨ダイヤモンドを製作する工程ですが、遺骨からだけでなく、遺灰や遺髪からも合成できるそうです。アルゴダンザ社では、微少元素によってダイヤモンドの色は 無色透明から美しいブルーの色合いに自然に決まる のだそうですよ。

天然では大変貴重なカラーダイヤモンドですが、その色味は 微量元素や結晶構造 によって決まります。遺骨ダイヤモンドの場合も、合成の過程で調整をすることで、赤や黄色などのカラーダイヤモンドに仕上げる企業も中には存在するようです。


今回は、遺骨ダイヤモンドというテーマで、主にアルゴダンザ社をご紹介したのですが、谷口宝石は代理店というわけではありません。


実は、アルゴダンザ社で遺骨ダイヤモンドで製作された方からご相談を受ける機会があり、大変感銘を受けて、今回ご紹介させていただきました。


「故人を偲ぶ」という日本人特有の死生観に加えて、ライフスタイルが変わりつつある日本において、故人様、そして 将来的には私たち自身の供養のカタチを考えていく中で新しい選択肢のひとつになるのでは と考えております。


谷口宝石では遺骨ダイヤモンドの窓口は行っておりませんが、お客様のご希望に応じて、遺骨ダイヤモンドを使ってジュエリーをおつくりすることは可能 です。身に着けられるジュエリーにすることで、ダイヤモンドになられた故人様と、いつでも共に過ごすことができるようになります。


当店の職人が心をこめて、丁寧にジュエリーにセットさせていただきますので、遺骨ダイヤモンド・メモリアルダイヤモンドをジュエリーに生まれ変わらせたい というご相談がございましたら、どうぞお気軽に谷口宝石にご相談くださいませ。


◆ アルゴダンザ社 公式サイト: https://www.algordanza.co.jp/

◆ Stayforever社 公式サイト : https://www.stayforever.jp/


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